愛想学園
□神無月 琴
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神崎 聖は逃げていた。
何から逃げていたかを簡単に説明する。
自己中心的な悪魔から逃げている。
「はぁ、はぁ、マジで勘弁してくれ」
現在校舎の廊下に生徒はいない。
「しかし、どう逃げるかだな」
校門には刺客がいるはずで無論げた箱なんかは包囲されているだろう。
「つまりだ。不用意に動くのはまずい訳だな」
聖はそう判断して屋上で包囲がゆるむの待つことにした。
「早く帰りたいな」
聖は嘆息し屋上に向かって行った。
「うむ、やはり校門前は包囲されてるな」
屋上に身を潜めて観察する聖。
壁によりかかり目を閉じた。
(少し寝るか)
聖は睡眠をとることにした。
さて、聖がどうしてこんなことになったのかを説明しよう。
聖には帆神 絵帆と言う幼なじみがいる。この絵帆と言う同学年の女生徒は学園のアイドルと言われる子で生徒会の書記もつとめている。
ちなみに絵帆はやたらと交友関係が広い子であり事態はそこから発展していった。
絵帆の友人に風紀委員長をつとめる人がいる。
その人の名は神無月 琴通称、琴姉さん。
彼女はこの愛想学園の高等部三年生でなんと風紀委員長を三年連続でつとめる強者だ。
なお、彼女は何も風紀違反に対して正義感をたぎらせる子ではなく、誰かを取り締まったり、何かを企画したりすることが大好きなだけで、風紀委員長をつとめてるだけにかなりの問題児でもある。
そんな琴と浅からぬ交友関係を愛想学園に入学以来に絵帆をつたって聖は築いてしまった訳だ。
そのため、風紀委員会で何かの企画や仕事があると琴は聖を巻き込みたがるのである。
今回も、風紀違反撲滅運動と言う企画に引きずりこまれそうな中なんとか逃げ出したわけだ。