愛想学園
□倉木 雪
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最近の兄は何か様子がおかしい。
なにが原因かは私にもわかりませんが・・・長年のつきあいからは兄の様子がおかしいことぐらいはわかります。
そわそわと自宅、一階玄関前通路を右往左往している挙動不審な少女は、倉木 雪といい。髪はセミロングに黄色いリボンが良く似合う美人というより、可愛らし女の子である。
身長もちょっと低めのようだ。
ドスドスと階段を二段ごしで降りてくる人物
「お〜、おはよーさん」
ヨレヨレのTシャツにトランクス一丁とだらしない格好の人物が雪に声をかける。
「ににに、」
「に?ニンジンの丸かじりは朝からイヤだな」
「兄さーん!!」
「うるさいぞ!こんな朝っぱらから、近所の方々から苦情がくるだろ?」
「乙女の前でなんて格好するんですか!変態!馬鹿!」
「おっと、これは失礼・・・てか、んなこと気にすんなよ〜。俺らは兄弟だぞ?」
「失礼です!しかも私は弟ではありません!漢字が違います!」
「ふぅ〜、朝からヒステリックだな〜?雪よ・・・もしかしてあの日か」
「うきぃぃー!変態、変態馬鹿!」
「うおっと、雪と遊んでる暇はないのだった」
兄はいそいそと洗面所に向かった。
ちなみに兄の名は倉木 優雅と言い学校で1、2を争う下ネタマンである。
だか、そんな邪でていたらくな性格とは裏腹に身長は190以上で顔は上の下にあたり、運動神経抜群な人なのである。
「兄さんスポーツやれば伸びるのにな〜?」
とは、雪の口癖だ。
それに対して優雅は、
「いまさらだろ?」
でかえすのが日課だ。
だか、野球やサッカー、はたまたバスケ部などからはレギュラーとしてかり出されるほどである。
ちなみに神崎先輩と組んで去年では、夏は野球で冬はサッカーとかなり良いところまで行っていた。
雪がもったいないと思うのも至極当然である。
すでに雪は制服に着替えて登校準備は万全なのだが、優雅の方はしきりに洗面所で髪型を決めていた。
「兄さん・・・やっぱりおかしい」