四聖の騎士
□プロローグ
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「お前に許嫁が出来た。早速だが、彼女が通う学校に転校して親睦を深めてくれ」
電話にてそう父親から言われた。
父親が言うには兎に角、あって親睦を深めてからでも構わないというモノであった。
親父の言う事を律儀に聞く必要はないのかもしれなし、誰かを守りたいとも思わない。
俺は知っているからだ。
俺には誰かを守ることなんて出来はしないと言うことを、なのにそんな俺に誰かを守れと言うのか?
こんな自分の可能性や未来すらも決まってるというのに
でも、だからこそ俺は望むんだろう。
面白い日常というやつを、自分自身が変われる何かを、それにこの選択が、俺にとって退屈な日常からの脱却につながるのなら、こんな退屈な世界にいるよりも、また別の可能性にかけるのも悪くはないだろ?
だから、俺は……鳳凰朱雀は決断した。
「別にかまわない」
そう親父に言い放ったのだった。
「今日もサボリで、悪いのは朱雀」
そう隣でベンチに腰を下ろして、共に学生であるはずの友人が平日の真っ昼間に公園で、そう俺に罪をなすりつけてくる。
「言っとくがだ。俺はお前を誘った覚えはないからな」
「つれないこと言ったらダメ。しいて言えば私達は罪すらも割り勘で行ける仲良し二人組なわけ」
「あ〜、悪いがお前がどれだけ悪いことをして捕まっても俺は助けないからな。見捨ててやるからな」
「しょんぼり……とか言う私ではないよ。偽の証拠をつかまえさせて一緒に脱獄しませう〜。」
「……本気で言ってたらマジで怒るからな」
「本気と書いてマジと読むのと同一。仲間と書いて共犯者(犯罪の)」
「()の中おかしいからな。それは絶対に変だからな」
そうふざけた会話を交わしている相手は白虎 凜那と言い俺の幼なじみだ。
日本人形のような可愛い外見と普通の人からするとおしとやかな感じらしいが、俺から説明するとコイツは悪魔だ。
今の俺らは留学生って奴でドイツと言う国に留学している。
まだ来てから3ヶ月しかたっていないし、春になるのに桜も見れない国に好き好んで留学する俺ではない。
ここに、この白虎 凜那と言う悪魔が絡んでくるわけだ。
そもそも、この留学は言わば包囲措置ってやつだ。監禁とか、追放とか、そう言うのがあてはまるわけだ。
俺と凜那は昔から悪い子を通り過ぎて、無邪気な犯罪者って言われていたぐらいで、昔から犯罪の一歩手前ぐらいのイタズラをしてはまわりを困らせていた。
ここで、何故俺たちがこんな事をしてもゆるされてきたのかは、後ほどわかることだから説明は、はぶくが、大切なのは何故、ドイツなんかに留学させられたのかだ。