Sprint!!

□E
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「それじゃ、今日はここまでな。プリントは明日の授業でも使うから忘れんなよー」


シャンクス先生の授業が終わって背伸びをすると、背骨がポキポキっと鳴った

シャンクス先生の授業はわかりやすいし面白いから好きだ

なんて思ってたらそのシャンクス先生から呼ばれた


「なんでしょ」

「放課後で良いからこのプリントをマルコのところに届けてくれないか?」

「はぁ…、良いですけど」

「悪いな。おれはこれから出張なもんで」


シャンクス先生から受けとったプリントは大会についてのお知らせとか、とにかく部活のプリントだった

シャンクス先生はバスケ部の顧問だしね

そうこう考えてるうちに、シャンクス先生は教室から出て行っていた


「大会かぁ…」


大会の時期となれば、テスト期間も近いってワケだ…

忙しくなる時期だなぁ…


「ヴェルディ、何ボーッとしてんだ?なんだ?そのプリント」

「おわっ、と…。シャンクス先生からのお使い」


いつもの如く、後ろから抱き着いてくるボニーは軽くあしらっとく

それでも抱き着くボニーを放っておいたら、じっとプリント見ていた


「………わかんね!

「あはー、やっぱりねー」

「それよりヴェルディ!飯!!」

「はいはい」


そしてボニーは私の手を引いて教室を出た














「っていうわけなんだけど…」

「まじかケイミー」

「一人隠れてイケイケだなケイミー」

「ついにケイミーさんにも春が…」

アンタらの反応が気持ち悪い


いつも通り2対3で向かい合わせで昼食

今日の話題はケイミーに彼氏が出来たっていう衝撃的事実


「つかアレだよね、ビビにも春きてるよね?彼氏いるし」

「そうだな。ビビも現在青春真っ只中だな」

「でも2人とも彼氏は他校生よね?」

「うん。私は近くの水産高校の人で、中学校の同級生なんだー」

「なによケイミー。惚気?

ナミちん、目が怖い


なんて、ナミとケイミーのやり取りを聞き流しながら、私は自分の昼食を黙々と食べてた

そっかー、ケイミーにも春ねぇ

って思って隣を見ると、ボニーが完食し終わったところだった

え、早くね?

まだ食べ始めて10分経ったか経ってないかなんですけど


「みんなは恋とかしてないの?」

「ウチは特にしてないな…」

「私もボニーに同じく」

「ヴェルディさんは?」

「私もないなー、って何だそのがっかりした顔は」

「だってヴェルディちんモテモテだしさー」

「毎朝下駄箱にラブレター入ってるしー」


“ねぇ?”なんて2人で口を合わせるケイミーとボニーに半ば呆れ気味に笑うと、目の前のビビに不思議そうな顔をされた


「ヴェルディさんは彼氏とか欲しいって思わないの?」

「そうよ。恋がしたいとかないの?私たち花も恥じらう女子高生だし」

「あんまりない。今が楽しけば良いし、クラスでバカ騒ぎしてる方が好き」

「あ、それはあるかもしんね」

「私の青春はそんなんで良いや。楽しければそれで良いし、みんなが幸せならそれもそれで良いね」


そう私が良い終える前に、私の両サイドにいたケイミーとボニーがひしっと抱き着いた

ボニーは私の首に腕を回し、ケイミーは腰に腕を回してる

離そうとしてもなかなか話してくれそうもなうから、しばらくこのままにした

その光景は食堂には不釣り合いで笑えるものだろう

だけど、今の私にとっては幸せだから良しとしよう











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