Sprint!!
□O
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「お前なら、ウチの学校が一番だよい」
なんて、マルコ先輩に言われたからこの学校に入学式したけど…
「上手くやっていける気がしないのは何でだろう…」
入学早々、悪寒を感じました
――Sprint!!
海辺にある全寮制の有名私立高校“航海学院高等学校”
見事に(というか、ほぼ余裕で)入学試験に合格して私は今、学校の最寄りの駅にいる
この駅を中心に東通りに沿って行くと学生寮、西通りに沿って行くと学校がある(はず)
駅には今日から同級生となる人たちがごった返していつ人に酔いそうだ
キャリーバックを転がしながら緩やかな下り坂を歩く人、人、人
まじで酔いそう……
着いた先には大きな黒い門がそびえ立っていて、その先には白い建物
例えるなら、
「城……?」
それも古城というか年期入ってるヤツ
寮じゃないよ、こんな建物
世界遺産だよ
それで、生徒が群がっている一部分にはきっと寮の部屋割が張り出されているんだ
たしか、2人部屋が1番割り当て人数が少ない部屋だった(ような気がする)
「(どうか2人部屋でありますように)」
なんて願いを込めながら掲示板に載っている私の名前を探して絶句
403号室
:
:
ヴァンガード・ヴェルディ
:
:
「おぉっふ、5人部屋かー…」
思わず変な声出た
勘弁してよ5人部屋なんて
最大人数収容しちゃうところじゃないか
人付き合いを好まない私への死刑宣告だよ
まぁ、先生に文句言うのも面倒だし、適当にやり過ごせば大丈夫
きっと!
「403号室…、ここか」
大きな白い扉には金色のドアノブ(良いねこう言うの、私は好きだよ)
ドアノブを捻ると、蝶番がギギッと鳴った
油注してもわらなきゃね…
部屋に入ると、白を基調としてガランとしているのが印象深い
しかも、まだ誰もいない
「わーい、一番乗り。あはー、嬉しくない一番乗り」
キャリーバックを部屋の隅に置いて暫くどうしようかと考えた
「マルコ先輩探そう」
よし、思い立ったら吉日
部屋を出ようとドアノブに手を掛けると、自分よりも先に外側の方から捻られた
「あら、ルームメイトの?」
「あーっと…、どうも」
入ってきたのは水色のウェーブがかった髪をしている女の子(お姫様みたいだ…)
「あの……、」
「え?」
「通りたいんだけど…」
「あ、ごめんなさい!」
そう言って女の子は道を空けてくれた
さて、気を取り直してマルコ先輩探しにに行こっと……
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