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□第二章 ―home―
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「どうぞ。」


とりあえず冷蔵庫に残っているものが少なかったのと、時間がなかったので、今日はオムライスとスープ。

かなり質素だけど仕方ない。



「………。」
「すいません。明日からはもう少し考えて作りますね。」
「……か。」
「はい?」
「これは…なんですか?」



唖然とした。

世の中にオムライスを知らない人がいるのか!?
それとも見た目か?
少し卵が破れてしまったけれども、どっからどう見ても…


「オムライスです。」
「…そうですか。」



そう言ったっきり、手を動かそうとしてくれない。

オレはいたたまれなくなり、スープを注ぎに一旦席を外した。


不安たっぷりのまま、スープを持ちキッチンから戻ると、なんとか食べてくれてるみたいで安心。



このまま陽ちゃんが食べるのを見つめるのも変だから、オレも食べ始めることにした。



が。



どうしよう…この沈黙。


まず、なんて話そう…
もう会社じゃないけど、まだ社長と呼ぶべきか。

もう少しくだけるか。



ふっと陽ちゃんの表情を伺うが相変わらず前髪のせいで、全く読めない。


このさい。
当たって砕けるか…

「こ…小山…社長?」
「…家ですから、社長とは呼ばなくていいですよ。」


そんなこと言われたら、調子のるよ。


「じゃぁ、陽ち…」
「……。」
「すいません。」


眉間のしわが増えた。

小さくため息をつき、どうしたものか考えていると
それ以外なら何でもいいです。と言われたから


「…陽雪…サン。」


妥協しました。


ああ…違和感。


「なんですか南さん?」

黙々と食事を続け、全くこっちを見てくれない。


どうしたものか。



とにかく、答えてはくれるみたいだから気になってることを聞くことにした。





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