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□第三章 ―eye―
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あのまま泣き疲れたのか、すっかり寝てしまった陽ちゃんを部屋に運ぶ。
あー軽い…
ちゃんといいもの食べさせてあげよ。
ベッドにゆっくりと降ろす。
すっかり目真っ赤にはらして…今でこんなんなら、放置すると明日はもっと大変なことになってるだろうな…。
急いでタオルを濡らしてきて、瞼の上にのせた。
熟睡してるのか、小さく呻いただけで変わらず寝ている。
こう、朝はドタバタしてたからゆっくり部屋を見る時間なかったけど
今改めて見ると、本当に殺風景な部屋。
ベッドと本棚とタンスはある。
が、机もテレビもない。
高校生らしい持ち物なんてMDプレーヤーぐらいだ。
本棚も小難しそうなものばっかりで。
なんとなしに一冊手に取ってみる。
パラパラと数ページめくる。
……。
………これって……。
ページをめくる手が止まる。
陽ちゃんの方を振り向いてみたけど、陽ちゃんは相変わらず寝ていて…。
これだけ、たまたま紛れたとかだよな…
と、自分に言い聞かせ、他の本も次々に手にとった。
これも……
これも……
これも……
本棚の本を全て見尽くした。
心臓の音がバカみたいにデカくなる。
―こんなことって―…。
オレは本をゆっくりしまい、あることを決意した。
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