main

□第三章 ―eye―
1ページ/3ページ

あのまま泣き疲れたのか、すっかり寝てしまった陽ちゃんを部屋に運ぶ。

あー軽い…

ちゃんといいもの食べさせてあげよ。


ベッドにゆっくりと降ろす。



すっかり目真っ赤にはらして…今でこんなんなら、放置すると明日はもっと大変なことになってるだろうな…。


急いでタオルを濡らしてきて、瞼の上にのせた。

熟睡してるのか、小さく呻いただけで変わらず寝ている。


こう、朝はドタバタしてたからゆっくり部屋を見る時間なかったけど
今改めて見ると、本当に殺風景な部屋。




ベッドと本棚とタンスはある。
が、机もテレビもない。

高校生らしい持ち物なんてMDプレーヤーぐらいだ。




本棚も小難しそうなものばっかりで。

なんとなしに一冊手に取ってみる。




パラパラと数ページめくる。




……。





………これって……。




ページをめくる手が止まる。




陽ちゃんの方を振り向いてみたけど、陽ちゃんは相変わらず寝ていて…。






これだけ、たまたま紛れたとかだよな…

と、自分に言い聞かせ、他の本も次々に手にとった。





これも……




これも……




これも……





本棚の本を全て見尽くした。









心臓の音がバカみたいにデカくなる。



―こんなことって―…。




オレは本をゆっくりしまい、あることを決意した。















_
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ