作品その2
□背中合わせ(塚リョガ)
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勝手を知っているリョーガが温かいお茶を淹れて部屋に入る
向かっている机の端に一つ湯飲みを置く
もう一つは持ったまま視界から消えた
押し付けの優しさなんかでは無い
微妙な距離感が心地良い
祈るように組んだ手に額を乗せる
その姿勢のまま、じっと湯飲みを、湯気を見つめる
ゆらゆらと不安定
確かな物なんて何も無くて
生きている意味なんてどこにも無くて
ただ、消える為に時間が消費される
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