作品その2

□お菓子もいるけど?(跡リョ)
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部屋を開けて来た恋人は
憔悴し諦めたような表情をしていた

…魔法使いの姿で

「…どうした?」
「うん、兄貴」

予想された中での答えを返したリョーマは
予想されない行動に移った

机に向かっていた跡部をスルリと後ろから抱き締めると
背もたれまで引き倒し、
キスを落とした

「trick or treat?」

不覚にも驚いてしまった跡部は
努めて平静な顔で聞き返した

「…イタズラしたのに更にねだるか」
「用意してんでしょ、もったいないじゃん」

上から見下ろせるのが楽しいのか、
良い笑顔で話し掛けてくるリョーマの頭を引き寄せて
再び唇を合わせた

普段とは違う姿勢
普段とは違う刺激

これも楽しい、そう感じた後で
ゆっくりと押さえていた頭を解放した

「確かに勿体無いな」

これ見よがしに唇を舐めてやると
悔しそうな、けれど赤い顔でリョーマは言う

「…お菓子食べたら覚悟しとけ」
「楽しみにしといてやるよ」



end
 

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