お題小説
□相性抜群(ニオブン)
1ページ/1ページ
「…ジャンケンで決めたら?」
「正当性はどちらも似たり寄ったりだからな」
第三者から出された折衷案
それに二人は勢い良く反発した
「幸村と柳ともあろうヤツが俺が正しいって分かんないのかよ!」
「いーや、絶対オレじゃ。二人はそれが分かった上で言っとるんじゃ」
「この間現国のノート貸してやったの誰だと思ってやがる!」
「数学65以上キープ出来てるんは、誰のおかげじゃ!」
「関係ねぇ事言ってんじゃねぇよ」
「先に言ったのはどっちじゃ」
「放置とは良い度胸だな、二人とも」
地を這う声が聞こえてきた
それまで言い合っていた二人は全く同じタイミングで
弾かれたように幸村に向き合った
「ジャンケンで決めろ」
「「…はい」」
笑顔の優しい幸村と渡り合うのは不可能
その判断も、勿論同じ
「最初はグー」
「ジャンケン ほい」
「あいこでしょ」
「しょ」
「しょ」
「しょ」
「しょ」
…………
………
……
…
「柳」
「まぁ、つまりは、あいつらの気が合いすぎているということだな」
「相性抜群、か…」
「ダブルス組ませたらどうだ?」
「ジャッカルと柳生だったら、試合画面が地味になるから却下だ」
「それだけじゃないだろう」
「うん」
「癪なんだろ、二人で居させることが」
「そうだよ。」
「素直だな」
「バカらしいからな、ただじゃれたいのに巻き込まれて」
再び言い合いを始めた二人を見ながら
柳と幸村は溜め息をついた
end