お題小説

□相性抜群(ニオブン)
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「…ジャンケンで決めたら?」
「正当性はどちらも似たり寄ったりだからな」

第三者から出された折衷案
それに二人は勢い良く反発した

「幸村と柳ともあろうヤツが俺が正しいって分かんないのかよ!」
「いーや、絶対オレじゃ。二人はそれが分かった上で言っとるんじゃ」
「この間現国のノート貸してやったの誰だと思ってやがる!」
「数学65以上キープ出来てるんは、誰のおかげじゃ!」
「関係ねぇ事言ってんじゃねぇよ」
「先に言ったのはどっちじゃ」


「放置とは良い度胸だな、二人とも」

地を這う声が聞こえてきた
それまで言い合っていた二人は全く同じタイミングで
弾かれたように幸村に向き合った

「ジャンケンで決めろ」
「「…はい」」

笑顔の優しい幸村と渡り合うのは不可能
その判断も、勿論同じ

「最初はグー」
「ジャンケン ほい」
「あいこでしょ」
「しょ」
「しょ」
「しょ」
「しょ」
…………
………
……


「柳」
「まぁ、つまりは、あいつらの気が合いすぎているということだな」
「相性抜群、か…」
「ダブルス組ませたらどうだ?」
「ジャッカルと柳生だったら、試合画面が地味になるから却下だ」
「それだけじゃないだろう」
「うん」
「癪なんだろ、二人で居させることが」
「そうだよ。」
「素直だな」
「バカらしいからな、ただじゃれたいのに巻き込まれて」

再び言い合いを始めた二人を見ながら
柳と幸村は溜め息をついた


end

 
 

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