お題小説

□俺に会いに来たんだろ(跡リョ)
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イライラする
生徒会の書類も企画も
部活の練習も統率も
学校の授業もテストも

「放り出してぇ」

出来ない事は誰より一番理解している
性格上、性質上。
それでも放り出したくなるのは
逃げる場所があるから

「リョーマ…」

かれこれ1ヶ月と半月。
姿も見ず、声も聞かず、
ただ時間に追われる毎日のルーティンワーク
充実はしている。やりがいもある。
だけど、足りない。

「メールだけで良いのかよ」

動かないのはお互い様
睡眠時間を少し削れば、
部活時間を少し削れば、
会いたいと思うならば、
会えるのに。

どちらも忙しいのは事実。
だけど此処まで会えない日が続くのは、

「つまんねぇ意地、か」

もう、限界。
ジローに言われた
『足りてないじゃん』
リョーマが、か。
良く見てやがる。

書類を脇に積み上げて
携帯に手を伸ばしかけた


「ケーゴ」


何より聞きたかった声がドアから、した。
心なしか不機嫌そうな、リョーマの声
認識した途端に働いた計算は馴染んだ『俺様』キャラ
一言だけ自惚れさせてくれ

「どうした、リョーマ…俺に会いに来たんだろ?」


あとはもう、とことん甘やかしてやるから。



end

 
 

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