作品その1

□好きです(光→謙)
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久し振りにオサムちゃんの奢りで食べ放題
多分、十中八九、競馬で勝ったんやと思う。

「珍しい。明日は槍でも降るで」
「大丈夫ですよ謙也さん」
「何で?」
「その10倍は負けとりますから」
「…せやな」

納得。…って、

「俺のオレンジジュース飲むなや!!」
「まだ肉焼けんのんやもん」
「うわ、めっちゃ自己中!生意気な後輩は可愛ないで!」
「良ぇんですわ、その他大勢にどう見られようが」
スッと目を細めて口の端を上げる微笑みが憎らしい程キレイで
何や…

「余計ムカつくんやけど」
「知りませんよ、そんなん」

嗚呼、何て生意気なんや…
折角キレイなんやからもうちょい素直になったらもっと可愛げも出てくるやろうに…て、

「光、好きな人居るん?!」
「…はぁ、まぁ」
「うわ、意外。片思いとか似合わんで」
「ま、そんなん良ぇやないですか」
「喋る気ないん?」
「今は無いです」

…なんや、本気で意外。
みんなは知ってるんかな、と見るとみんなキャラに無く素晴らしく優しそうな笑顔やった。
んで、自然に肉や野菜取りに行ったり、焼き加減見たり…
っちゅう事は、みんなは知ってたんやなぁ…
きっとさり気なく応援したり機会作ってやったり相談乗ってやったりしてるんやろなぁ…

「…羨ましい」
「何がですか?」
「青春や!!思い悩んだり駆け引きしたり言うつもりの無い事言ってもうたり…相談したりされたりや!!」
「…それが青春なんや?」
「もう、俺にも出会いくれ!!」
「無視?」
「彼女欲しいわ!!」
空のグラスを握り、無意味に引き寄せると
逆方向に肩をグッと抱き寄せられた
丁度、光の首の辺りに頭がある態勢

…って、何?!

「…もう、俺にすれば良ぇやん」

…………は?
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