作品その1

□繋がり(光謙)
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普段ならiPodを聞きながら対話をする、メールもする
距離を置いて接するのが合っているから
けれど、何となくそうするのが勿体ない相手も、居る


風呂上がりに携帯を弄る
何て事はない世間話を文章にしたためて送信
髪をがしがし拭きながら用件メールを処理していく
あ、返信きた
ちゃんと髪乾かせ、ておかんちゃうんやから…と思わず苦笑
お返しに帰宅途中に買ったお菓子の行方をからかう
多分今時間食べとんのやろ
思いながらパソコンを起動
ピックアップした記事に目を通していると再び返信
食いたい気分なんやからしゃーないやん、て金ちゃんみたいやないですか
そう返信しようとしてふと気付く

あ、この距離感、何かイヤや

メール画面を消去し、同時に右手でパソコンをスタンバイに落とす
着信3コールで繋がった

「この方が良いですね」
『メールの方が面倒くないん違うん?』
「謙也くん限定で」
距離など、タイムラグなど、
「…置きたくないんですわ」

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