作品その1
□無愛想?(塚リョガ)
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寒い寒いと言いながらも何故かリョーガは学校に来る
「別に部活の邪魔してねぇから良いだろ」
みんなが帰った後の部室に居るんだからよ、と続ける
それでも俺の邪魔をしている自覚はあるのだろう
部活日誌を書いている正面に陣取り頬杖をついて大人しく座っている
シャープペンが紙を叩く音しかしない静かな空間
沈黙が苦ではないので好ましい状況
まぁ、いくら好ましい状況と言っても
そこにリョーガが居なければ好きな状況にはならないが
「済んだ?」
「あぁ」
「じゃ、提出して帰ろうぜ」
「そうだな」
側に置いてある鞄を手に立ち上がる
先にドアまで来ていたリョーガが自然と問う
「機嫌良いな、何かあった?」
驚いた
「何驚いてんだよ」
「いや、」
「やっぱ外はケタ違いに寒ぃな」
「…リョーガ、」
「うん?」
「多分お前が居るからだ」
先刻の答えを返すと
面白い様に顔を赤らめ動揺し
一瞬後には何もなかったかのように
「嬉しい事言ってくれんじゃん」
と返された
お前の方こそ、だがな。