□青春■

□予定表、
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事前準備は大切

何回も
シュミレーションした

決行日は明日






【予定表、】






この一ヶ月
俺は予定表を作った

その予定表通りにうまく運んでいて


一週間前にデートもした

デートなんて初めてだったから凄く緊張したけど
ちゃんと計画通りに進んで楽しんでもらえた筈


三日前には相合い傘をして

あの子の傘を隠して俺の傘で一緒に帰って
いつもより近い距離で意識しない筈がない



これだけ
仲良くなったんだ

あした
俺は あの子に告白する


予定表通りいけば
明日は俺とあの子の交際記念日になる筈で

いや
これまで順調にいってきたんだから失敗する訳がない





―――――…


「今日一緒に帰ろ?」

「今日部活ないんだよね?」

「うん」

「そっか 丁度いいや、鳳くんちょっと椅子に座ろ」

「え?うん」

「私ね、鳳くんに言わなくちゃいけないことがあるの」

「!」

「…あのね」



『丁度いいや』
『言わなくちゃいけないこと』


そんなの 一つしかない
これってもしかしてあの子も俺と同じ気持ち…?

ここは俺から言うべき、だよね?


「俺はわかるよ、君の事」

「え?」

「俺はね…」

「…っあはは」


俺が続きを喋ろうとしたら突然笑い出して
びっくりしてる俺に君は寂しそうに言った


「…鳳くんには全部お見通しかな…私、海外に行くの」

「…ぇ?」

「表上は父の転勤なんだけどね…本当は私病気なの…手術するために海外に行くの」

「!?」

「私が病気だってこと…鳳くんはわかってたんだよね、だからずっと優しくしてくれてたんだよね」


俺の手をそっと握り
涙を流しながら笑った
いろんな情報が一気に脳内を巡るけど上手く処理出来ない


「…私、鳳くんのこと好きになっちゃ駄目ってわかってるから…鳳くんを好きになっても私にはこの先があるかわかんないから…」

「……」

「困らせたくっ…ない…」

「困らせたくないなんて…そんな…俺は!!」

「いいの…いい思い出を最後まで有難う…もし 帰ってこれたらまた遊んでね…?」

「…………勿論だよ」



あの子の気持ちは確かに手に入れた
ここまではよかったのに、


なんで
こんなところで狂っちゃったの?

なんで
好きな気持ちに駄目とかあるんだろ



あの子が帰ってくる予定はいつ…?



end


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