お題小説B

□066 人見知り
2ページ/4ページ

「啓ちゃん…ごめんね」

「……なんで」

「啓ちゃんまで、泣いてるみたい」

「……泣いてねぇもん」

「うそ。目ぇ赤いよ」

「未紀が泣くから釣られたんだよ……」

暫く沈黙が続いた。先に声を上げたのは未紀だった。しかも、笑い声。

「っふ、あはっ」

「……なんだよ」

「啓ちゃんが泣いてんのはじめて見た〜」

「……そうかい」

「啓ちゃん。わたしが泣いてると、そんなにつらいの」

「っ違、釣られた、っつったろ」

「はいはい。」

「聞けよ。」

「ふふ。ねー、啓ちゃん」

「……、何だよ」

「わたし、これからも啓ちゃんの彼女でいてもいいの」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ