お題小説B
□066 人見知り
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「啓ちゃん…ごめんね」
「……なんで」
「啓ちゃんまで、泣いてるみたい」
「……泣いてねぇもん」
「うそ。目ぇ赤いよ」
「未紀が泣くから釣られたんだよ……」
暫く沈黙が続いた。先に声を上げたのは未紀だった。しかも、笑い声。
「っふ、あはっ」
「……なんだよ」
「啓ちゃんが泣いてんのはじめて見た〜」
「……そうかい」
「啓ちゃん。わたしが泣いてると、そんなにつらいの」
「っ違、釣られた、っつったろ」
「はいはい。」
「聞けよ。」
「ふふ。ねー、啓ちゃん」
「……、何だよ」
「わたし、これからも啓ちゃんの彼女でいてもいいの」