お題小説B

□074 指を絡ませる
1ページ/2ページ

074 指を絡ませる

結局、この腕は自分の所有物なのだ。

伸ばしても伸ばしても、自分の身体から離れることは無いのだ。

伸ばしても伸ばしても、君もその腕を伸ばしてくれないのなら、

この腕は、君を捕えることは出来ないのだ。

人は、どんなに愛し合っていても、誰かとひとつにはなれないのだ。

だからこそ皆、愛する人とひとつになりたいと願い、

この細く、短く脆い指を絡ませ合うのだ。





END
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ