お題小説B

□070 手毬歌
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070 手毬歌

ねぇごめんねマイダーリン わたしは知ってしまったの
世の中にはあなたと違って わたしの名前を呼んでくれる人も居るし
休日に旅行に連れてってくれる人も居るのよ

おどろいたわマイダーリン わたしを愛してくれてないのね
世の中にはあなたと違って 甘い口づけをしてくれる人も居るし
誕生日に薔薇の花束をくれる人も居るのよ

あぁマイダーリン
ごめんね そろそろわたしも甘い蜜を舐めたい
あぁマイダーリン
ごめんね そろそろわたしも肩の力を抜きたい


ねぇごめんねマイダーリン わたしは知ってしまったの
世の中にはあなたと違って 二人で写真を撮ってくれる人も居るし
泣いていると黙って抱いてくれる人も居るのよ

あぁマイダーリン
ごめんね そろそろわたしも「欲しい」と言われたい
あぁマイダーリン
ごめんね そろそろわたしも温かい腕に触れたい


それでもダメだわ 二人で過ごした月日が
それを許してくれない


あぁマイダーリン
ごめんね もうわたしはあなたに愛を抱いてない
あぁマイダーリン
ごめんね なのにわたしはあなたを突き放せない

あぁマイダーリン
ごめんね わたしにできることは従順なフリだけ
あぁマイダーリン
ごめんね かつて心から愛したあなたをこんなに



もうこんなことを考えるのはやめよう
悲しくなんかないけれど
かと言って嬉しくも楽しくもないし……





END
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