お題小説A
□043 角砂糖
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043 角砂糖
苦い苦いわたしの中へ入って来て、
ゆっくりゆっくり、わたしのこころの苦痛を溶かしていく。
だんだんあなたも、元の形をとどめていられなくなって、
ぽろぽろとかどが取れていって、
くるくるとかき混ぜられるうちに、
わたしとあなたは、ひとつになりました。
あなたもわたしももう、元の形をとどめていないけれど。
それでしあわせだと思えるほどに、わたしの気持ちも変わりました。
ありがとう、ありがとう、あなた。
あなたのおかけでわたしは、
苦い苦いと敬遠されたりしなくなった。
ありがとう、ありがとう、あなた。
END