お題小説B
□089 白い素足
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「あー、幸田。何やってんの」
「お前こそ何やってんの。つか降りろよな」
そう言って、幸田は靴と靴下を脱いで、私の隣の飛び込み台の上に立った。
「……降りない。あたしも脱ぐ」
そして私も、裸足になった。
「久しぶりだな」
「うん」
「勉強してる?」
「全然〜」
あの頃のような下らない会話が始まった時、再び強い風が吹いた。
「ひゃ〜!」
「うおっ!」
私は急いで髪を整えた。でもその時、幸田はずっと私の足を見ていた。
「なに見てんのよぉ」
からかうように言うと、幸田は真面目な顔をして、
「お前、足、白くなったな……」
と言った。