お題小説@

□020 冷静と情熱のあいだ
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ずっと昔から、体を重ねる時、那月は和哉にいつも気を遣っている。感じている振りをしたり、わざと声を上げたり、我慢して口で奉仕したり。

別に気持ち良くない訳ではない。和哉の物が入る程度には濡れる。しかし、那月はどうも和哉ほどにはテンションを上げられない。自分はこういう行為がそんなに好きではないんだな、と、だいぶ前に気が付いた。それなのに、和哉は会う度に那月の体を求めて来る。

本当は、もっと違うデートがしたい。でも、そんなことは言えない……和哉を、怒らせたくない。



じっと和哉を見る。額に汗を浮かべて、息を荒げる様子は、少し愛おしかった。そして、羨ましくもあった。自分も、こんな風になれたら。

「……何やねん、あんま見んなや、恥ずかしいやろ」

「ん、ごめん。だってかっこいいんやもん」

「は…、あほ」

「あほでいい……」

ふぅ、と那月は小さくため息を吐いた。そろそろ疲れて来た。腰が痛い……。和哉、早くイッてくれないかな、今日は長いなぁ……。
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