☆ハリポタ NOVEL☆
□【Helianthus 後編】
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暖炉から出た後、30分ほどバスを乗り継ぎたどり着いたのは、趣きのある立派な旅館だった。
景色も最高で、まわりは木々に囲まれているため車や人の騒音などもまったく聞こえず、とても静かなところだった。
あからじめ先生が予約を入れていたらしく、玄関を入ってすぐ受付をする間もなく部屋へと案内された。
部屋は落ち着いた雰囲気で、まだこの部屋に入って数分も経っていなかったけれどすぐに気に入ってしまった。
でも、一番何より気に入ったのは・・・窓から見える景色だった。
遠くに見える山々と、黄色のコントラスト。
・・・名前は分かんないんだけど、そこには綺麗な花が咲いていた。
大きくて、太陽に向かって真っ直ぐに伸びている黄色い花。
その花をじっと見つめていると、急に先生に後ろから抱きしめられた。
安心できるその暖かさに、背中を預け和む。
「・・・気に入らないな。
よかれと思ってここに連れてきたのだが・・・。まさか、花に焼餅を焼くとは・・・」
・・・どうやら先生、僕がずっと花を見てたからすねちゃったみたいで。
もう、子供なんだから。