アキヒカ

□弱点。
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「塔矢の弱点、発見したぜ!」
ヒカルが鼻息も荒く報告したのは、院生研修の済んだ後だった。
「何だ? 苦手な手とかある訳?」
和谷がすぐに乗る。
「今から実証するから見てろよっ」
小声で友人たちを廊下に止めて、ヒカルは畳の研修室に入った。
「塔矢あ」
「……何だ」
冷ややかに対するアキラに向かって、ヒカルは両手をわきわきさせ、
「じいちゃんに学んだくすぐり攻撃だっ」
「っ!」
アキラの脇腹を狙い、ダイブする。
「や、やめ……ろっ」
「うりゃうりゃっ」
畳に転がるアキラはかなり苦しげで、見る者によっては色っぽいと感じる程だったが、ヒカルにはその色気は当然通用しない。
「し、進藤っ、く…っ」
「あははっ、うりゃうりゃーっ」
楽しく転げまわるヒカルと苦しく悶えるアキラに、
「進藤っ、もうそれ位にしておけっ」
止める声が外野から入った。
「いいじゃん伊角さん」
スカッとする見物を止めるなと文句を言う和谷に構わず、
「塔矢、大丈夫か」
伊角は手をさしのべた。
「…っ…」
息もたえだえのアキラを前に、
「こんなのは、弱点とは言わないだろ」
年長者としてヒカルを諭す。
「はあーい」
アキラは初めて伊角を認識し、窮地を救ってくれた青年に感謝した。
「…すみません」
「いいよ、当然の事だ」
という伊角の姿は外面で。
「伊角さんさー、自分もくすぐりに弱いからかわいそうになったんじゃないの」
「……」
和谷のツッコミが真実をついていたのは言うまでもない。
「そうなの? よーっしっ、伊角さんにもくすぐり攻撃っ」
それからしばらく、伊角はヒカル(と和谷)を警戒する事になったのだった。





アキラさんが院生だったらシリーズ(シリーズ?)。
元ネタまたしても舞-乙HiMEで、、す。
伊角さんはくすぐり攻撃には笑い過ぎて酸欠でくたっとなったあたりが色っぽいそうです。

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