もう二度と会えないかもね
だからこそ 笑顔で祈り
言う「また明日」


カルーアと君の手のひら味わって
うずきはじめる 忘れた虫歯


「瑞泉(ずいせん)の泉(せん)はお前の名前だろ」
呑めないくせに買う一升瓶


この恋を 最後にしよう
決意して
オンザロックで飲み干すテキーラ


この恋は
カバンひとつではじまって
カバンひとつで終わるはかなさ


ジョーダンで
「明日帰る」とふざけたら
半泣きになる 駅前の道


この部屋で
二人っきりと思うしあわせ
二人ぼっちと思うさみしさ


4年後の約束のころ
我 三十路
君 24
広ぐ歳の差


今日もまた夕焼け山に消えてゆく
明日も独りで見ているのかな


1Kの狭さ今夜は広くなる
ふたりの部屋のひとりのわたし


恋の歌 独りになると増えてゆく
あと何万個できるだろうか


もう少し私を見てよ
あどけない君の寝顔も
惜しめる深夜


寅さんの映画を観ては
離れてる家族に会ったつもりになってる


今朝干した洗濯物が乾いてる
今朝出た君は まだ帰らない


この映画 観終わるまでに帰るかな
映されるだけのクライマックス


コーヒーにラム少しだけ加えたら
大人の恋ができる気がした


お出かけの前のキスなど欲しくない
寂しさ飲み干す ブラックコーヒー


年上の女も時に年下の女のように甘えてみたい



ブラックが好きな私も時々は甘いカフェオレ飲んでみたいの


二人ならどこでも無敵でいられるよ
スーパーでもね
警察でもね


満腹で
ベットがあって
君がいる
みんなごめんね
幸せすぎて


『特売』のチラシ見つけてはしゃいでる
あなたを今すぐ夫にしたい


この胸に
あなたの顔をうずめたら
あなたの子供がほしいと思った


スーパーで待ち合わせして
酒買って
同じ家に帰るしあわせ


この曲が
なぜ好きなのか
聞けぬまま
君と聴いてる
aikoの『花火』


「牛肉もお前もめっちゃ好きやねん」
君は今夜も両方食べる?


(スタンドバイミーの歌詞より)
夜がきて
暗くなっても怖くない
君さえそばにいてくれるなら


スロットとタバコをやめて
我だけを見つめて欲しい
休日の午後


これからも
ずっとあなたを見ていたい
鼻の毛穴が見える距離から


結婚をしたいキモチと
したいほど好きなキモチは
大きな違い


こんなにも
カワイイ顔の君なのに
舐めるとすっぱいしょっぱいにがい


交じりあう時間があまりに多すぎて
不自然になる ひとりのカラダ


抱き合って 君の体とくっついて
君の形の一部になりたい


「かわいいな」頭をなでる
年下のくせしてお兄さんの顔する


わかってる 今の言葉は 今の愛
わかってるけど 信じてしまう


昼間でも 朝でも外でもしていたい
君と重なるだけの一日


眠ってる君の手のひら触ったら
強く握られこころ震える


さっきまで寝ていたフトン匂ったら
また抱かれてる気持ちになった


「いくらでも出してやるよ」と言わないで
いくらでも出してもらいたくなる


君はそのままでいいのよ
そのままの寝顔でとなりで眠るだけで


恋愛の最上級が「結婚」なら
何万回でもプロポーズしよう


「今すぐもうお前の中に出したい」と
出されたいけど あと2年ガマン


代わりたい
おなかとおなか くっつけて
君のハライタうつしてちょうだい


「さみしくないはずないやろ」と
ハグされて さっき離れた時間なくなる


君となら 無人島でも暮らせそう
なんなら一緒に餓死してもいい


君の手が わたしの背中を這うだけで
どうにでもしてほしくなった


君帰る 30分前シャワー浴び
寝たふりをして君を待ってる


君がいた となりに一人座ったら
二人きりになれた気がした


恋多き私が君の体温に
触れて初恋みたく熱する


「惚れてる」と言われて気づく
昔から 愛されたかった生き物だった


君の目が 私を見てるのわかるから
顔上げられず 読むふりする本


惚れられたはずだったのに
この熱い視線に焼かれ
惚れてしまった


経験も傷も忘れてしまったよ
ゼロになっちゃう 君の前では


くちびるを重ねてみたら
全身も重ねてみたくなってしまった


どうすれば あなたを嫌いになれるだろう
また見てしまう
あの日の写真


ただひとつ 真実なのはこの恋が
目を閉じたって見えることだけ


この場所で あなたの名前を呼んだけど
届くはずない わかってるけど


されるより してあげたいの
今晩も 母性に近い欲情の夜


我の中探し物をするように
上下左右前後動いて


溺れ死にしそうなわたし引き止めて
瀕死の顔を面白がる君


中指の爪を必死に切っている
それは今夜のわたしのためなの?


「二人で」と平気なふりして入れたのに
返事気になり見つめるケータイ


「酔っちゃった」
「呑みすぎなんだよ」
「ううん、あなたに」


カエルでも馬でも犬でもなりましょう
あなた好みのカタチになります


ふにゃふにゃなのを
パンパンにして
体だけじゃなく心の中も


アイス棒わざと大きなくちで舐め
横目で君の顔確かめる


我 悪魔
あなたに抱かれるためならば
なんでもするよ
なんだってする


こうやって自然に忘れてしまいたい
花が枯れてゆくように
海がひいてゆくように


幸せはここにあるのに
また別の種類が欲しい薬指の輪


「伸びたね」と
髪へ伸びた手引っ込めて
ふたりの距離をごまかしている


我の部屋の隅で静かに座ってる
君の代わりのノートパソコン


以前なら暗黙の了解で泊まったけど
今は暗黙の了解で泊まらない


「ちゃんと食べてる?」「しっかり休めてる?」
久々の言葉は恋でなく家族愛


本と帽子とコンサート
まだまだあるね
会える口実


たった一瞬逢うために
休日の顔 メイクする


故郷の友に会える年末
心待ちする素直な笑顔
年越しくらいは私を思い出してね


元カノも 誰も愛したことない部分
アイスクリームのごとく愛す


会えぬさみしさ味わうために
会いに行かぬ夜つくる


小さな不安 口から出したらどこまでも
広がり今では戻せぬ大きさ


近けれど 我の名呼ぶ声遠ざかり
深き快感の海の底


プリプリの『M』を聴きつつまた『M』の男を好きになったと気付く


ポケベルで伝え切れない気持ちあり
このロングメールで気持ち伝わる?


今夜みた流星群より
この出逢い確率低いよ
私とあなた


ベランダに出て下見ると君がいて
ロミオのように我を見上げる


君が好きだという映画
誰と一緒に観たか気になる


今年だけ 来年はまた違うとは
わたしの恋ね
ルミナリエ


光より 光を見てる君を見る
神戸の夜に少しヤキモチ


来年も見れたらいいね
言いかけてやめたらさらに光る電飾


あすの夜も一緒にいられるワケとなる
食べ切れなかったクリスマスケーキ


「昔からトムとジェリーが好きなんだ」
「昔」はこどもの頃?あの子といた頃?


「来年も一緒にいよう」言われすぐ
キラキラ光る来年の夏


「来年は一緒に連れて帰ってね」
言えず見送る 君里帰り


恋愛はタイミングなら
「タイミングいい人になれ」と神に願う


胸元に印つけられ仕方なく
胸あかぬ服着て同窓会


もの言わぬ君の寝顔はかわいくて
さっきのケンカの言葉忘れる


君からのくちづけのため塗るグロス
君の唇にうつり輝く


泣きたくも泣けぬ我の代わりなら
やまず流れよ冬の夜雨


この氷なくなるまでと
君を引き止め
あともう一杯 レモンティ割り


「いく」と言う
君の溜め息で我も「いく」


孤猫のごとく鳴く君を
我は制した飼い主の目でみる


この人と永く一緒にいたいのに
終わりあるはじまり
またはじめてしまう


元カノを「結婚向きな女」と言う君
我は「その正反対な女」


元カノを「自分に似た女」と言う君
我は「その正反対な女」


ポーカーフェイスの眉間のしわを見るため
今夜も君にまたがる


我の身に 印するごとくくちづける
君以外には もう抱かれまい


我を抱き 我を呼ぶ君
暗がりの碧い色して夜と交なる


奥まで入れて かき回される
我は君の熱き水飴


私は去る役 君止める役
帰り際の恋愛ごっこ


誰のあとでも 今はすべて我のもの
この手も この目も この夜も


君の「痛い」を聞くために
力入れ込む足マッサージ


君のつけし香水を
身につけいつも君と一緒


舐める顔と舌が見たくて
よがるふりして君をみる我



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