黄泉路
□烏天狗
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今日も村から子供が消えた。
皆で捜せど何処にも見えぬ…
私の可愛い子供は何処(いずこ)…?
―‐…
大きな老樹が大地に根を貼る、此処は深い深い森の中…
朝でも闇が支配する。
誰一人として足を踏み入れぬ。
踏み込んだが最期…
二度とは生きて出て来れぬ…
森の奥の奥深く、大きな大きな老樹には、これまた大きな穴があり、そこには無数の白骨が、幾つも幾つも転がっている…
それは子供の人骨で、喰ろうたのは森の主。
その穴は主の塒(ねぐら)であった。
塒の主の名は
烏天狗