戦国時代2
□たけだ家・諏訪湖のほとり
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「妾は、愛してない国の愛してない男との決して愛することのできぬ子を産んだ。故、そなたは妾に期待するでない」
「……」
なれど、私のこの想いは、どこへやればよいのですか?
貴女の言葉にこんなにも動揺している私が、とても滑稽でしょうが、私は、貴女から生まれた感情のあるこの国の子です。貴女と、その男の……諏訪と甲斐の両方の血を継いだ子です。
『妾はそなたを傷つけたくないのじゃ』
(私は十分傷ついている)
「ここが、貴方の国です」
微笑んで差し伸べられた手と、その言葉に救われた。
(嗚呼……、光だ……)
必死にその手を掴む。
「私は……、武田四郎勝頼は、この国の子だから、この国を愛し守る」
母が憎んだこの国を
私を憎む貴女を
たとえ、貴女が滅びを望もうとも……。
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手を差し伸べたのは、真田信綱です。朱華は、諏訪の姫がお屋形様を愛したとは思えないので。
で、鬱になって自殺した設定です。