戦国時代

□たけだ家・信友
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−秋山家は武田と同じ甲斐源氏の流れを汲む名族で、代々武田家に仕えていた。



「あっきやまー」
「!」
 廊下を歩いていると、後ろから勢いよく抱きつかれ、息が詰まるかと思った。
「くぅ・・源助!おまえなぁ」
くるりと首だけ回して奴を睨む。
「だって、だって、聞いてくれよ。お屋形様ったらぁ、俺を戦に連れて行かないって言うんだぞ。ただでさえ色小姓なんて陰口叩かれてるのに、戦にいけないなんて、俺、俺−」
 そして、子供のようにピーピーと泣いた。

「わかった、わかった。俺と信繁で何とかしてやるから泣くな」
 親友であり、お屋形様の弟である男の名前を出した。
「ほんとか!?絶対だぞ」
 コロッと表情を変え、ニコニコとした。
 まるで子供のようで、とても同い年とは思えない。
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