series SxA(first love)

□彼の日
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たとえば大切な人がいて、
その人に尽くすのは当たり前なんじゃないだろうか?
なんて、そんな事を思いながらケーキを買うのは酷く、恥かしかった。

彼は甘いものが好きだ。
最初は見た目から勝手に苦手なものだとばかり思っていたのだけど、どうやら苦手なのはココアだけでそれも別に嫌いなわけではないとわかった。
時間が経つにつれてわかっていく彼のこと、知るのが楽しくて知っていくたびドキドキとする。

今日彼は誕生日で、折角だからホールの物をと思ったけれど金もないし、二人でそんなに食べられるわけも無いので一切れずつ買った。
蝋燭もつけてもらってこの自分の浮かれようが恥ずかしいが正直、楽しみで仕方が無い。

今日俺が彼の家に行くことは言ってあるから、多分何をするのかわかっているだろう。
普段と少し違ったケーキ屋からの道のりを歩いて彼の家に向かった。
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