short
□tickle!
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「へぇ、隆也は脇腹へいきなんだ」
「あ、はい。全然…」
「すごいね」
にこりと笑ってすごいと褒める島崎に阿部は頬を染めた。
すごい、なんて言うほどの事じゃないはずだが、島崎に褒められたような、否、ただ彼の話題に上がったことが嬉しい。
「慎吾さん駄目ですもんね」
前にマウントポジションを取った際、ぐっと足に力を入れ締め付けただけで随分とびっくりしていたのを思い出す。
あの時は驚いてすぐにやめてしまったが、今あの続きをしてみたいという悪戯心が今ムクムクと育っていた。
「まぁ、苦手だね。」
等と言いながら悠長に笑う島崎が、ニタリとした阿部の笑みに気づいていつもの笑顔に少しだけ冷や汗をかく。
「え、ちょ、まっ…」
「大丈夫です、ちょっとですよ、ちょっとだけ…。」
必死に脇腹を押さえるように守る島崎が少し可愛と思いつつ、そろそろと腕を伸ばして彼を捕まえた。
いつもとは立場が逆転しているような、そんな現状に心躍らせる阿部は笑みを崩さずに島崎の腕を握る。
彼は無理に引き離そうとはしない、それを判っていての行動だ。
「まって、…まって、ね?」
「…なんか、慎吾さん可愛い…」
「隆也なんか性格ちがっ…」
何とか阿部の手を押さえ、擽られない様に耐える島崎は焦っている。