◆灰novel◆

□*わんこと一緒♪*
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*わんこと一緒♪*


その日、教団内はあちらこちらに飾り付けがされ、普段のヒンヤリした空気は掻き消え賑やかな色に埋めつくされていた。

食堂には、巨大なモミの木が設置され、付けられた飾りが明かりにキラキラと輝いて見えた。

今日はクリスマス。
そしてアレンの誕生日でもある。

正確には違うらしいが、細かい事は置いておいて…楽しく祝える事は多くても困ることは無い。

テーブルにはクリスマスケーキとアレンへの巨大な誕生日ケーキの2つがどっしりと置かれ、パーティーの始まりを待っていた。

「もうすぐ時間さ。アレン驚くぞ」

豪華な料理をつまみ食いしようとしジェリーに叱られたラビが、ヒョコヒョコと部屋の隅で立っていた神田の側に寄った。

「騒がしいんだよ。なんで俺が…」

不機嫌そうに呟く神田の肩を、まあまあ…と叩く。
リナリーに呼ばれたとあれば、来ない訳にはいかないのだ。
無視などしようものなら、きっと明日の朝日を拝む事が出来なくなる。

二人して背筋にヒヤリと寒気を感じ、辺りを見回した。
先程まで料理を運ぶ手伝いをしていたリナリーの姿がない。
どうやら彼女がまだ来ていないアレンを呼びに行った様子だ。

ラビは小声で

「……やっぱり何かあると思う?」

自分達の誕生日には、リナリーからの当事者には余り嬉しくないプレゼントが仕掛けられていたのだ。

「ユウのネコミミ写真、焼き増しして売られてた。凄い売れ行きだったさ」

「何!?…そういえばラビの写真もあったな。ダーツの真ん中に飾られてた」

「それ飾ってるって言うか、的じゃね!?」

知りたくなかった写真のその後に「オレ嫌われてるんかな…」とうなだれているラビに

「安心しろ。何人かが大事そうに持って、たまにブチューっとやっていたから」

「何を!?」

衝撃の事実に身の危険を感じていると、食堂の入口から愛らしい声が響いた。

「お待たせー!アレン君呼んできたわ。さぁ始めましょう!」

一斉にクラッカーが鳴らされた。

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