◆灰novel◆

□内攻−後編−
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知らない表情が増えた。


今までの、誰を見るものとも違う瞳に気付いた。


他の者と一緒に居ても、その人の心が別の事を考えているのを、敏感に感じ取っていた。



あの日以来、リナリーの心は休まる事がない



なんでもないように、彼の怪我の話を自分にしたのに…


彼と彼女。

あの夜のやり取りを見てしまったリナリーは、知ったのだ。
もう自分に割り込む隙間は無い。
苦しむ彼女を見る位なら、何故こじれているのか、原因を探し出して逆に手助けしなくては…

でも…今まで通りの笑顔で彼女に接するのが、正直苦痛になってきていた。


嫌いになった訳ではないのに…二人で居ると、どうしても心が悲鳴をあげる。


どうすればいいのか、自分でも分からない。


積もり積もった感情は、発散させる事も出来ず…もう溜め込める許容量を越えそうだった。




【内攻】
−後編−



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