◆灰novel◆
□*ラビらびっと★*
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誕生日当日。
部屋から出ると、またしても箱が置いてあった。
箱は長方形で、数センチの厚さ。
昨日のように大量のニンジンが入っている事はなさそうだ。
かけられたリボンに挟まったカードを見た。
「今日はリナリーか…」
部屋に入り、開いてみる。
入っていたのは、ウサミミ付きのどピンク色パーカーだった。
所々に愛らしいウサマークいり。
「…………………………」
今度こそ絶句していると、突然背後から声をかけられた。
「着るよね?」
いつの間にか開いていた扉の前に、リナリーが立っていた。
ポカンと見ていると、再度
「…着るよね?」
ニッコリ笑っているが、心なしか黒いオーラを纏っている。
逆らうと命が無いように感じたラビは、瞬時に装着した。
「着たけど…」
「じゃあコレも」
すかさず彼女が持ち出したのは、大きなニンジンのぬいぐるみ。
(あれ…なんだか聞いたことあるパターンさ…)
「ほら、アレン君や神田からも貰ったでしょ?全部装備!」
「え、あ…ハイ」
頭にウサミミ&ちょこんとのった脱力系ぬいぐるみ。
被ってる気もするウサミミどピンクパーカー。
片腕にニンジンのぬいぐるみ、もう片方に生のニンジン。
嫌な予感がしていると、やはり彼女はサッとカメラを構え、パシャリと撮った。
「アニマル二枚目だわ〜!」
くるりと踵を返し、ルンルンと去っていった。
そんな後ろ姿を見送っていると、少し先、柱の影にひっそり立っていた神田と目が合う。
彼は親指をグッとたて「よくやった!」というように頷いて見せた。
生のニンジンをかじりつつ、釈然としない気分で呟く。
「今日って何の日だったっけ…?」
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