時の鎖

□鎖の命
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思い出していたのは昔の事───



暗い。
暗い。
くらい。
「外に生きたいよ…」
でも、みんなは私に
「いけません。朱嶺様」
って言っていつもいつも…
私は殺されるべき者だから仕方無いけど。
生きる事すら許して貰えない者だったんだから。
って我慢したよ?


ある日私を外に出してくれたのは青鬼院家だった。
私を自由にしてくれた。
青鬼院家の人に会った時はそれこそ泣きそうになった。


分家の子に双熾という男の子が私と同じように閉じ込められているときいて思わず彼を出して欲しいと頼んだ。

生まれて初めての我が儘を聞いて叶えてくれた。

彼は自由になれた。

彼はしばらくは青鬼院家に仕えていた。

とても活き活きしていて

本当に良かったねって心のどっかで思っていたの。
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