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□私の後輩君
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「先輩っ!先輩っ!」
『……何?黒子君。』
「昨日、駅にいました?」
『ああ…うん。そう、だね。でもさ、なんで知ってるの?』
「そりゃあ、先輩の影ですから!」
『火神君の影だろうが。』
あれは、新一年生が入部したとき、
「あの、黒子は、僕です。」
「「「「「「いたの!?」」」」」」
そう扱われていた新入部員がかわいそうで、私は必死にフォローした。
『だ、大丈夫だよ。私、気づいてたし。リコに言ってあげればよかったね。』
「!」
そう、
言ってしまったのがまずかったらしい。
「先輩!次の休日部活終わったら、一緒に出掛けませんか?」
「先輩!ちょっと待っててください!一緒に帰りましょう!」
「先輩!」
「先輩!」
「先輩!」
『〜〜〜〜〜〜〜〜分かったから、ちょっと待て!!』
さすがに、私もつかれる。
「先輩。一緒に、本屋へ行きませんか?」
『あ、ああ、うん。ごめんね。また今度。』
いつものように、そう断った。
つもりだったのに…。
『…なんでついて来てんの?』
「!先輩、僕に気づいてくれて…!」
なんて生き生きしているんだ
。
『はぁ……なんでそこまでまとわりついてくるわけ?』
「!…え、あ、はい。」
黒子君は、少し面食らったような顔をして、
「先輩が、好きだからですけど。」
そう、恥ずかしげもなく言い放った。
『……まじで?』
「まじです。」
『え、あ、うん。えっと……ごめん、こういう時、なんていえばいいか分かんないわ。』
「じゃあ“私も”って言ってください。というより、言ってくれますよね。先輩なら。」
まぁ、結局、
同意したんだけれども。