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□そんなのさ、
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『?どうしたの?』



珍しくため息をついた黒子君を不思議に思ってそう聞いてみる。


「いや…赤司君は、君のことが本当に好きなんだなと。」

『へ?』

「赤司君。会えない腹いせか何だか知りませんけど、LINEの量半端ないんですよ。」


そうげんなりして言う黒子君は、私のほうを呆れながら見た。


『あー……うん。そうだなぁ……。でも、京都と東京じゃあどうしようもないし……。』

「こんなに好きなら、なんで中学卒業ぎりぎりまで何も言わなかったんでしょうね。」



確かに、最後の最後だった。

もうちょっと早ければ、恋人らしいこともできただろうに。




そう話している間にも、黒子君の携帯はなり続けている。



「あ、名字さん。写真撮っていいですか?」

『うん?いいよ。送るの?』

「はい。」



そう言って携帯のカメラを向けられる。


パシャ、と音がした後「ありがとうございます。」と聞こえた。



『どんな内容なの?』

「……そうですね。基本、あなたのことについてばかりです。」

『へー……。見ないでおくよ。』

「え?見ないんですか?」

『プライベートだし。』

「そうですか。」



そう言って、席に戻ろうとすると黒子君が「あの、」と呼び止めた。


『なに?』

「赤司君が、「どうしたら名前のことを愛してるっていうのが伝わるだろう」って……。」

『は?』

「なんか、色々つぶやいてるんですけど…「いっそ拘束して僕のもとへ置いたほうが……。」とか。」

『そんなのさ、』

「?」

『……すっごい愛してる、とかでも伝わるよって言っておいて。』





そう微笑んだら、黒子君も「そうですね。」と言って携帯に目線を戻した。



私には十分すぎるんだ

あなたの「愛してる。」って言葉も、その行動も。



「(赤司君から返事…。)……っ!?」




――――――「名前って、天使だったんだな。」


「ぷ……くっ……。」

『(あれ?珍しく黒子君が笑ってる。)』

 


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