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□意地っ張り
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僕には好きな人がいる。

それは、


『はーい!終了です!』


バスケ部のマネージャー。名字名前だ。


『先輩。どうぞ。』


マネージャーの仕事だということは分かっている。

けど、無性に腹が立つ。


『あ、赤司君。どうぞ。』


そう言って俺にもタオルとドリンクを渡してくる。

嬉しかった。

しかし、腹が立っていたせいかやってしまった。


「僕に構うな。」


自分でも驚くほど冷たかった。

さすがに泣いてしまっただろうか、そう思って
彼女の方を見る。

しかし、彼女は、


『…ごめん。でも、ちゃんと水分補給して、汗拭いて、風邪、引かないようにしてね。』


そう言って笑い、その場にタオルとドリンクを置いて、他の部員の所へ行った。

練習が終わり帰ろうと体育館を出た。

すると、小さな泣き声が裏から聞こえた。

なんとなく様子を見に行くと、泣いていたのは名前の姿だった。


『っ…ひっく……。』


タオルを目に押し当てて、肩を揺らして泣いていた。

まさか、と思い彼女の元へ走ろうとした。
しかし彼女は急に立ち上がった。

そして僕の方を向いた。


『…まだ、いたんだ。』

「…いちゃ悪いか?」


ついつい憎まれ口しか出てこない。


『っ…全然…!練習、お疲れ様…っ…。』


そう言って彼女は鞄を持って走り去ろうとする。

それを僕は追いかけ、腕を引き、抱き寄せた。



自分の気持ちに、正直になって


彼女は驚いた顔をしていた。


だからその顔に言った。
 


彼女は顔を赤くして、笑った。


 


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