黒子のバスケ
□恋してるうちに
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昔から僕のことを“テッちゃん”と呼んで、
ずっと後ろをついてきた君が、
突然こういったんだ。
『テッちゃん。私、好きな人ができたの。』
「え…?」
『好きな人が、できたよ。』
そう、照れくさそうに笑う君の笑顔が、
すごく可愛くて、
すごく愛おしくて、
すごく残酷で、
酷く、頭が痛んだ。
彼女の恋を止める権利が誰にある?
誰にもないんだ。
二度と隣には立てないというのに。
どうしてこの愛しさは消えてくれないのだろう。
誰にも知られずにこの恋が終わっていく。
僕は、君が好きだった。
ほんとは好きでしたなんて、そんな今更
もう僕の出る幕はない
でも最後に言えることは
これは、確かに恋だった。
悲しいんじゃない、切ないんだ
なんて不毛な、それでも恋。
呆れるほど、鮮やかに。
それでもまた、恋を
愛してるうちに終わらせて?