gift&present
□砂糖漬けのラブレター
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『宮地ー。これ預かったよ。』
「は?」
そう言って俺に手渡されたのは
『2年の可愛い子。顔真っ赤にしててさー。すっごい可愛かったよ。』
世間一般俗に言う
「ラブレター…?」
さて、どうしたものか。
俺は好きな奴がいる。
あ、みゆみゆじゃなくて、いや、みゆみゆも好きだけどあれはちょっと違うって言うかいや違わないけど違うやっぱ違わないいやでもやっぱ…
そんなことを悶々と考えていると、俺に手紙を渡してきたやつ…そう。俺の好きな奴。
が、声を掛けてきた。
『中身読まないの?』
うわ、超面白がってる。
「うっせぇなぁ。黙ってろよ。」
あ、言っちゃった。
いつも、そうなんだよなー。
なんだろう。“好きな奴には素直になれない”ってやつか?
いやいやいや、なんでそんな乙女チックなこと考えてんだろ俺。
いや、うん。それこそ今はどうでもよくて、
ペリッと封筒をはがし手紙を取り出す。
そこにはまぁなんというか、可愛らしい文字で長々と書いてあった。
要約すると
「好きです付き合ってください。だってよ。」
『短くしすぎwどうすんの?』
どうすんのって、だって、俺は、
俺は、
「お前のこと好きだしなー…。」
『えっ…。』
「えっ…?」
あれ、俺、今、
「口に、出てた…よな…。」
『……うん。』
うわー俺の人生終わったー。
やっべーうわー超恥ずかしい。
「や、あの、さ、うん。えっとー『ほんとに?』え、お、おう。」
少し俯き気味の名字の顔は真っ赤だった。
『もう一回。言ってくれたら返事してあげる。』
「そんな恥ずかしいことできるか!轢くぞ!」
でもやっぱ、返事が欲しいので、
次の日の朝、名字の机にノートの切れ端に書いた告白を入れておいた。
『…余計、恥ずかしいわ。』
甘いよ、それ。
ノートの切れ端のラブレター。
甘すぎ注意。
“ずっと、好きだった。”