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□逃げられない
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『はぁっ…はぁっ…!!』


屋上に来た。
それは、


「…逃げられねぇよ。俺からは。」


この人―――青峰大輝から、逃げるためだった。


けど、結局追いつかれしまった。



『やめっ…て…。』


屋上の建物の陰に座らされた。
逃げられないように後ろから青峰君が抱きしめている。


どれだけ力を入れても所詮は男女の力の差。

無駄なのは分かりきっていた。

『離しっ………はっ…!』


青峰君の唇が私のそれと重なる。

次第に青峰君の舌が口内に侵入してきた。


『ふぁ…っぅ…。』


下に引っ込めてもからめとられてしまう。


息ができなくなりそうで、青峰君の胸をドンドンと叩く。


彼は名残惜しそうに唇を離した。







「お前は一生、俺のもんだ。」


そう言ってまた、唇を重ねた。




あなたからの大きすぎる愛は

私を捕らえて離さない。



『やめて…、私には…。』

屋上のフェンス越しに見えたのは、


愛しい彼の、姿だった。

 

 


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