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□不器用
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一応、彼氏。





私がもし、花宮真との関係を問われたらこう答える。



本当に曖昧で、






「俺が嫌いか?」





そう、いきなり聞かれたから





『え、き、嫌いじゃないけど…?』




そう、答えた。



それが、彼なりの告白だったらしい。



その時は、彼に対して恋愛感情は持っていなかったけど、今はちゃんとそういう感情を持っている。




だから、他の人と仲良くしているところを見ると嫉妬するし、一緒に居られる時間は至福の時だ。




普通の感情なんだとは思う。




でも、まぁさすがに、他の人との噂が立っている以上、私は無理だろう。








彼とは、向き合えない。








そう思って、彼にその旨を伝える。




彼が口を開いた瞬間に、視界が彼の顔半分上でいっぱいになって、




唇に何かが当たる感覚がした。








『……?』

「離すかよ。バァカ。」





そうやって笑った彼を見て、






“何もかも、どうでもいいや。






     この人と、いられれば。”





そう思った。





不器用な君へ





噂は、俺が自分で流した。




アイツに、気づいてほしかったから。


 
 


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