log

□ハイスペックに勝ってみたい
1ページ/1ページ






「いい加減、機嫌直してって!」

『嫌だね!絶対許さないもん!』

「もんってたって、可愛いって思っちゃうだけだもんね!」

『騙されないし!みーどーりーまーくーん!!!!!!聞いてよ!こいつ酷いんだよ!』

「ちょ、名前ちゃん!!!」

「うるさいのだよ!大体、今の話を聞いている限り、高尾が悪いに決まっているだろう!」

『ほーらみろ!』


こうなった理由?


あ、ごめん。説明めんどいから、




回想でお願します。















数十分前。


『見てー高尾君ー。』

「ブッなにそれwwww」

『な、何も笑うことないじゃん……!』








はい。こんだけ。


あ、ちなみに私はクラスの子がやってくれた編み込みを高尾君に見せただけ。


なのになぜか笑った彼に腹がたった。



っていうか、なんか、泣きそうになったのをごまかしたら怒ってただけなんだけどね。







「ねぇ、ゴメンって!」

『知らない。』




そう言って、自分の席へと戻っていった。



後ろでは緑間君が「馬鹿め……。」と高尾君を貶しているのが聞こえた。



















『みーやじセンパーイ。』

「気持ち悪いな。なんか先輩って言われんの。」

『じゃあきよにぃ。』

「なんだよ。」

『高尾君さ、轢いて?』

「いいぜ。」



いとこの宮地清志……まぁきよにぃって呼んでんだけど。


が、特に何の躊躇いもなくいいぜって言ったから逆に遠慮することにした。




「つか、なんかあったのか?」

『えーなんかさー……「あれ、編み込み出来たっけ?お前。」……原因はそれなんだけどさー。』

「は?」

『今日クラスの子がやってくれたんだけど、なんか高尾君が笑ってさー……。』

「まぁそりゃ、あいつがやる編み込みより下手だし。」

『え?』



え?は?

つか、高尾君編み込みできんの?



『ハイスペックパネェ……。』

「笑った理由分かんねーけど、とりあえず仲良くしろよ。今日あいつ部活大変だったんだよ。」

『なんでさ?』

「なんか、色々抜けてた。」

『(禿たか……。)』

「あ、禿たわけじゃないから。」



そんなこんなで、まだ休憩中だったきよにぃと別れ家路につこうと校門を出ようとした…ら、



『ぐぇっ!?』

「はぁっ……はぁっ……!」


急に後ろから首に腕がかかった。

後ろを見なくても、相手はアイツだと分かった。


『……何?』

「お……ほう……が、……みうま………か……………げほっ!げほっ!」

『ああもう、落ち着いてから話して!』




そんなこんなで、


体育館の近くにある非常階段に座り込む。



ようやく息が整った高尾君は私のほうを見ていきなり髪留めを取った。


『ちょ、何すんの!?』

「俺のほうが!…もっと、可愛くできるし。」


そう言って唇を尖らせる高尾君は、ちらりと私の顔を見た。


『…まぁ、自慢はいいんだけど、なんでそこまでしようとするの?』

「……好きだからに、決まってんじゃん。」






そう、俯きながら恥ずかしそうに言う高尾君は、


ごく普通の男子高校生だと感じた。








ハイスペック?いいえ、違います。


まぁ、恋人同士って関係になった後




「弁当持ってきたぜー!」

『まじでーって、キャラ弁!?』



嫌になるほどハイスペックを味わわされた。

  


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ