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□いっぱい食べる君が好き
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練習の帰り。
大我とマジバに行った。
『わ。相変わらず多いね。』
「これくらい食わねーと、腹へっちまうんだよ。」
『へぇー。1,2,3………………18個?』
「おう。お前、よく一個で足りるな。」
『平均値だよー。』
彼氏の大我は、
よく食べる。
そのせいか、
「ねぇ、見てあれー…。」
「うわ、なんだあの量ww」
周りから白い目で見られることがしばしば。
クスクス、コソコソ。
まぁ、いんだけど。
『でも、店員さんに通じるってところがすごいよね。』
「ああ。“いつもの”で通じるもんなー。」
そういって、パクパクとハンバーガーをほおばる姿は、
バスケとしている時とは違う、なんか、可愛い雰囲気。
『私、やっぱ大我好きだなー。』
「っ!?///んだよいきなり!!!」
で、次の日。
事件は起きたわけで。
『あれ……大我、それだけ?』
「あ?ああ。どーせ帰ったらまた食うし。」
『……なんかあった?』
そう聞くと、大我は俯いて「別に。」とそっけなく言った。
あ、嘘ついてる。
大我の癖だ。
嘘をつくときは俯く。
『……怒らないし、何も言わないからさ。ちゃんと言ってよ。なんか、悲しいじゃん。』
「……昨日、帰ろうとしてお前が先に外に出てた時、コソコソ言ってる声が聞こえたんだ。」
「あの人、あの量全部食べたみたいだよー。」
「なんか、彼氏が大食いだと恥ずかしいよね。」
「…って。」
そう、いじけたように言う大我の目は泳いでいて
チラチラとこちらを見る目は不安げだった。
『……大我。』
ビクリ、と大我の肩が跳ね上がった。
ゆっくりと上目遣いでこっちを見る大我は、今にも泣きだしそうだった。
『……そんな、泣きそうな顔になるぐらいならさ…。』
「……やっぱ、嫌『ちゃんと、今までどおりにしててよ。』……え?」
そういうと、大我はキョトンとこちらを見た。
『私、大我がすごく美味しそうに食べてるの見てると、幸せになるんだぁ。』
「じゃ、じゃあ…食べていいのか?」
『なにそれ。』
そう言って私が笑うと、大我は嬉しそうに笑った。
どんな君でも好きなんだ
『って、え!?23個!?』
「おう!」
『(うん。まぁ、いいんだけどさ。限度を知ろうよ。)』