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□興味対象
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「黄瀬君!こっち向いて!!」


黄色い声援が飛び交う中、俺、黄瀬涼太は教室へと向かっていた。


バスケ部が忙しくてモデルの仕事ができていなかった分を、

ここ一週間で全て片付けていた。

そして今日やっと来た。


朝のHRが終わると女の子たちが集まる。

と、その中にプリントを何枚か持った女の子が来た。

確か―――…


「どうしたんスか?名字サン。」


学級委員の名字名前さんだ。


『休んでいた時のプリントです。それと、来週の月曜日までの課題です。』


そう言ってプリントを渡してきた。


「そっスか。わざわざありがとうッス!」

『いえ。』


名字さんはそのまま俺から離れて行った。


「(あれ。そう言えば、キャーキャー言わない女の子って、初めてっスね。)」


その日から、
俺は彼女に興味を持った。


「名字サン。」

『なんでしょうか?』


後ろから呼ぶと長い黒髪を揺らしながら後ろを向いた。


「名前っちって、呼んでいいッスか?」

『どうぞ。』


そう言ってすたすたと彼女は歩いていった。


「…やっぱ、興味あるっスわ。」


ここまでなびかない女の子は、初めてだった。


「名前っち。」

『はい。なんでs…!!??』


とりあえず、君の気を引くことから始めよう。




「名前っちのキス、いただきッス!!」



そう言いながら観た彼女の顔は、





とりあえず真っ赤だった。



振り向いて!委員長!!


『な…///。』

「その顔、反則ッスね。」

『〜〜〜っ///』



 

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