短編裏BL

□一番の媚薬
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「………え…?」




なんで、ショウがここにいるの。

ここ、ボクの家なんだけど。

第一、今日一日仕事だったよね。


そんな疑問やら何やらが頭の中で冷静に浮かび上がる。
でも、ボクよりショウの方が驚いていた。
人間でもない、ロボットのボクが、自慰行為をして。
しかもそれを目の当たりにしてしまったショウの驚愕した表情。


そっちの方が面白くて、自分のあられもない姿を見られるよりもショウの表情や感情に興味が沸いた。



「あの…藍…」

「…何。」



まぁ合鍵を渡していたのはボクだったし。

ショウがボクの家に自分の家のように入ってくるのなんて当たり前だからもう良いや。

見られてしまったものはもうどうでも良い。


だって、博士のせいでありボクのせいじゃないから。



「…何、してんの…」


「…自慰行為だけど。」


「……そ、そうか…なら…お好きに…」


「…そうさせてもらう。」


「お…俺は…帰った方が…」


「何か用があったんじゃないの?」


「…ま…まぁ…仕事が早く終わったから…藍に会いたくて…」


「じゃあ、そこにいれば?」


「えっ…ぁ…うん…そ、そうする…」



ボクがソファを顎で指すと、ショウは曖昧な返事をしながらそう言ってはソファに座る。

なんかいまいち会話が噛み合わないけれどそんなものは仕方ない。
この状況下で冷静に対処されても逆に困る。


ソファに座ったショウは少し離れてはいるもののボクの真っ正面にいる。
目を合わそうとすればすぐに合う距離と位置だ。
だがショウは気まずそうにボクから目線を外す。



「…なんで…その…自慰行為なんて…してんだよ…」


横目でさえボクを見ようとはしないショウ。
反らしている顔から垣間見る赤く染まった頬が無性に可愛かった。



「…さっきメンテナンス行ったら…博士に媚薬飲まされたから…」


「…はぁ?媚薬?お前ロボットなのに…」


「だから…ロボットに合うような薬を開発したんだよ。とりあえずもう一回抜くから、ちょっと黙ってて。」


「えっ…あ、おい…」




抜くしかない。

ただボクの頭にはそれしかなかった。

多分、こういうところはロボットなんだろうな。

解消させようとそれに尽くすのみ。
それしか頭にない。
そう思いながら、ボクはまた自分の昂っているそれに指先を伸ばした。



「…っ、ぅ…ん……」


「……藍…」



あぁもうやだ。

目の前でショウが見てるのに。

なんでこんなに反応するの。


ボク、ロボットだよね?

どうして自分で制御出来ないの



「くっ…ん……み、ないでよ…ショウっ…」

「だ…だってお前がここにいろって…」



だめだ

ショウに見られてると自分が変態になったみたいで

感じてしまう


そんな目で見ないで



「……っ、藍…」


「っ…はっ…ちょっとショウ…何してっ…!?」



ショウはいきなりベッドに腰かけていたボクの前に跪いて、ボクの足を割った。
そのままボクの足の間に入っては自分のモノに触れていたボクの手を退けた。



「…良いじゃん…恋人が目の前にいんだから…抜いてくださいぐらい言えよ…」


ショウの吐息がふわっと自分のモノを掠めた。
ただそれだけなのに、自分の手よりも断然気持ちよかった。



「な…んで…ショウにそんなの頼まなきゃいけないの…自分でするってばっ…」


それが無性に恥ずかしくて、ボクはショウになんて頼めなかった。

あともう一回ぐらい抜けば、絶対収まると思ったから。



なのにショウは物欲しそうにボクの足の間の昂りを見つめる。

そしてそっと、上目遣いでボクを見る。



「じゃあ…俺がしたいって言ったら…良いのか…?」




また掠める吐息。

今度は湿ったむわっとした熱い吐息。


何これ。

何なのこの状況。


もう何も言えない。

何も言いたくない。


なんかもう、ただ、ショウが欲しい。

目の前のショウが、欲しい。




「…ボクからは…頼まないから…」


欲しいと望むくせに、ボクは頼もうとしない。

それでもショウはクスッと笑って、わかったよ、なんて言う。

全てを見透かされているような気がして恥ずかしかったけれど、そんな羞恥心もショウの次の行動で消え失せた。


柔らかいショウの唇がボクのモノの根本にキスをする。
思い余ってボクは踵でベッドを蹴った。
そのままつぅっと唇で上に上ったかと思えば、その唇の間から唾液でひたひたに濡れた舌がぬるっとボクのモノを絡み付くように舐めあげた。

堪えたくても、堪えられない声。

ショウの手がボクの太股を掴んではさっきよりも広げようとする。

「…藍…気持ち良い…?」


ボクのモノを舐めながら、上目遣いで見上げるショウ。


やめて

そんな目で見ながらそんなこと聞かないで。


「っ…そんなの…聞く必要あると思ってるの…?」


ボクはそのショウの顔が見たくなくて、ショウの後頭部を掴んではまたくわえさせた。
ショウは喉を苦しそうに鳴らしながらも、一生懸命舐めながら唇や唇の裏で上下に締めるように擦る。



「…っ…ぁ…ショウ…っ…」


「……っ、ぅ…ん…っ…!」


ボクの太股をぎゅっと掴みながら苦しそうに首を動かす。
そんなショウが愛しくて、ボクはショウの後頭部にやっていた手で優しく髪を撫でた。

時折舐められる裏の筋や先端に、嫌でも熱くなる身体。

ショウの口って、こんなに気持ち良いなんて知らなかった。



「っ…ショウ…っ…も、うっ…」

「ん…良いよ…出せよ……」


口の中に出すなんて、とか一瞬理性がボクを止めたけれど、出せよって言ったショウの挑発的な視線がボクの理性をも崩壊させた。

脈打つように出た自分の体液がショウの口元を白く汚す。
ショウはそれを舌で舐めとっては変な味、なんて言い出す。



「……落ち着いた、か…?」


恐る恐る口を拭いながらそう言うショウ。


「……そう、見える…?」


博士の薬はそんなに簡単にはいかない。
簡単にいったら、苦労なんてしない。



「…ごめん…ショウ…ショウの身体…貸して…」


ボクはもう耐えきれなくなって、ショウを抱き上げては衣服を脱がそうとする。

ショウは少し焦っていたが、ボクの身体の体温を肌で感じ、抵抗せずにそのままボクに衣服を脱がされていった。


「…藍…お前……身体…熱くなって…」


「……大丈夫…優しく、する…から…」



できる限り、だけど。

ボクは言葉の語尾にそう付け足すと、ショウの首筋にキスをしながら、ショウの下半身に手を伸ばした。

衣服越しに掌に感じる硬いショウのモノに、ボクは驚いてショウを見た。


「…なんでショウが興奮して…」

「なっ…んだよっ…わりぃかよっ…」

「どこに興奮する要素が…」

「……お前が…一人で抜いてた時から、だよ…」


言わせんな恥ずかしい、なんて照れながらも全部暴露するショウ。

なんでボクが一人で抜いていたらショウが興奮するのか全然理解できなかったけれど、もしショウが一人で声を堪えながら抜いていたら、と想像したら無性に胸が熱くなって下半身が疼いた。

自分の疼きを抑えたくて、ショウに八つ当たりするようにショウのモノを取り出しては直に触れた。

ベッドに座っているボクの両足に跨がるようにして座っているショウ。
必然的に、勃ち上がったボクとショウの性器の裏が擦れ合うような形になる。
ショウが少し動く度に、ボクの性器が掠め、そのぬるぬるとした感触にもっと擦れ合わせたくなる。


「あ…ぃ…それ…気持ち、良い…」


「…っ、」


熱い溜め息と共にそんな言葉が肩に落とされた。

ショウに気持ち良いなんて言われたら、自分が嫌でもしてあげたくなる。

ボクはショウの衣服を全て脱がせ、自分の服を脱いだ。
そしてショウの腰を掴み自分の方へ引き寄せて、二つの性器を片手で包み込んだ。

短い喘ぎがショウの唇から漏れた。

それを上下にゆっくりとストロークさせると、ショウは苦しそうに唇を噛んだ。

ショウの爪がボクの肩に食い込む。


でも、痛くない。

むしろ心地よささえ感じる。

ショウと同じ悦びを今一緒に感じられる、ただそれだけで幸せだった。
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