短編裏BL

□好きという言葉
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首筋を噛めば淡く喘ぐ。

鎖骨を舐めればぴくりと身動ぐ。

胸を擦れば唇の端から声が甘く漏れ出す。



お前の弱いところ、全部知ってる。

それぐらい、お前が好きなのに。



「…っん…ぁ…砂月……」


「……なんだよ…」



冷たい態度ばかり…

いや、こいつと話すのが恥ずかしくて冷たくなってしまうだけなんだ。

分かってるのに、出来ない。




「……俺……俺…っ……」


「……黙れ、っつったろ…」


「なっ…ん、あぁっ……!」





ソファで俺の上に座って真っ正面から抱き締めていたこいつの背中に直に手を滑らせた。

そのまま腰骨を辿り、下半身の昂りにそっと指を這わせた。

ぬるっとした感触が指を纏う。

恥ずかしそうに俺の首に顔を埋めても、身体は正直に体液を溢れ出させる。



「…っ、ぅ…ぁ…」

「我慢しねぇで…声、出せよ…」

「…な、んだよっ…黙れって言ったり…声出せって……っぁ…!」




お前の喘ぐ声だけ、今は聞きたい。

お前の頭が俺でいっぱいになれば良い。

俺のやることなすこと全てをその小さい身体に刻み込めれば、それで良い。




「……砂…月っ…そ、こっ……」


尾てい骨からそのまま割れ目へと指を滑らせる。
少し筋肉質な小さい尻が、嫌がるように動く。

それさえも無視し、俺はそこに潜まるすぼまりに中指をゆっくりと入れた。


痛みに耐えようと、俯いてはゆっくりと息を吸っては吐く。

しかし少しずつ慣れ出すそこは、徐々に解れ痛みも薄くなる。



「っ…ぅ…あっ…ん……っ…」


声に甘美さが戻ってきた。

俺の腕の中で甘く鳴きだすこいつは、心地よさに身体を痺れさせる。



言うこと成すこと大きいくせに。

抱かれているときは小さくて

俺の身体で全て包んでしまうようで。



「っ…後ろ…向けっ…」


「えっ…な、んでっ…っあっ…!」



背中をこちらに向かせ俺の膝に座らせる態勢にすると、俺はそのまま自分のモノをこいつの中に入れた。


反り返る身体。

こいつの頭が俺の肩に乗せられる。



「っ、あぁっ…さ…つきっ……!」


上を向いたまま、こいつは涙目で俺を呼んだ。


「…な、んだよ……」



「……す、きっ…砂月っ…好き、だ…っ…」



顔を見たくなくて態勢を変えたのに。


…そんな顔で好きとか言うんじゃねぇよ…


応えたくなんだろ…くそっ…



「…っ…俺も好きだっ…」

「さ…つきっ……」



めんどくせぇ。

思う存分伝えてやる。

お前のことが、どれだけ好きかって。



俺は後ろに向けていたこいつの顔が真っ正面に見えるように戻した。

するとこいつは両手で俺の頬を包むように触れた。



「……砂月、の…顔っ…見える…」


「………もう…黙れよ……翔っ…」


「…えっ…な、まぇっ…っあぁっ…!」





理解した。

好きだと伝えれば伝えるほど。


お前が好きになる。


それで、聞けば聞くほど、好きになる。




「…好きだ…翔……」


「っ、ぅ…お、れも…好きっ……」




そんなことも、気付かなかった。


だから、今まで言わなかった分、全てお前に言ってやる。




覚悟、してろよ。翔。








─END─







「好きだ。」

「っ…はぁっ!?」

「だから、好きだっつってんだろ。」

「ちょっ…待て砂月っ…」

「何恥ずかしがってんだよ。」

「はっ…恥ずかしいに決まってんだろ!」




─END─
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