短編裏BL
□トキヤ欠乏症
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は…?
はぁっ…?
ちょっと前からいたって…えっ…?
「ちょ!一旦帰って!マジで!頼むから!!」
「嫌ですよ。こんな場面に遭遇して、帰りたくなんてありませんね。」
「やっ!やめろこっちくんな!マジで恥ずかしいから!ほんとに!!」
「人が折角貴方のオナニー手伝ってあげようと思ったのに。何ですかその態度。」
「いや!まじで良いからっ…ほん、とっ……っぅ……」
トキヤは俺の拒絶も無視してソファに座っていた俺の元に来ては、下半身に纏っていた俺の衣服を少しだけずり下げ、既に立ち上がっていたモノに手を滑らせてきた。
「ばっ…か…やめ、ろっ……」
「…人のタオルでこんなになって…」
「うっ…せ……」
…あぁ、トキヤの手だ…
そんな幸福感が快感に移り行く。
口では虚勢を張っていても、身体は言うことを聞かない。
「…オナニーは、気持ち良かったですか?」
「っ……」
「タオルを持って…その頭で何を考えていたのですか?」
「……言えっか…くそっ……」
「……言わなきゃ、ずっとこのままですよ?」
トキヤは俺のモノをしごいていた手を止めたり動かしたりと焦らしては俺の反応を楽しんでいた。
「くっ……ず、るっ……」
「ほら…言わないんですか…?」
耳元に唇を寄せ、艶っぽくそう囁くトキヤ。
…ほんと…こいつ…ずるいっ…
「トキヤ…と…ヤってた時のことっ…思い出して、たっ……」
「それで…どうでした?気持ち良かったんですか…?タオルの匂いを嗅いで…オナニーした感想は…?」
「……き…もちよかったよっ…!」
もうやけくそだ。
この際だから何でも言ってやる。
だってもう、何も恥ずかしいことはない気がする。
「…タオルで…興奮したんですか…?」
「…そ、うだ…っ……」
動きが早くなるトキヤの手に、俺は絶頂を迎えかけていた。
なのに、トキヤはその手を止める。
そんなことが何度も繰り返されていた。
「やっ…もぅ…だめっ…トキヤぁっ…」
「…自分の手でしますか?」
そんなトキヤの言葉に俺は首を横に振った。
「…トキヤのっ…手でっ…イきたいぃっ…」
トキヤの肩に自分の額を乗せては、行き場の無い身体の熱に耐えるしかなかった。
トキヤの手でイかなきゃ、もう無理だった。
その手で、イかせてほしかった。
「……仕方ありませんね…虐めるのもここまでにしましょうか…」
トキヤはそう言うと、ソファに座っては俺の衣服を脱がせては持ち上げ、自分の足の上に俺を乗せた。
トキヤに跨がる格好で目の前にトキヤの顔が迫った。
「…っ…トキ…ヤっ…んぅっ…」
迫られた瞬間、重なった唇。
その隙をついて、トキヤの長い指が俺の尾てい骨を滑り、中に侵入してくる。
久しぶりだったせいで上手く感覚が掴めなかったけれど、慣れたトキヤの指先が俺の中をゆっくりと掻き回しては解してくれる。
「っ、んむ…ぅ…はっ…ぁ…トキ…ヤっ……」
「…痛くない、ですか……?」
「んっ…ぅんっ…平気…っ…」
痛さなんか微塵も感じなかった。
俺、こんなにもトキヤを求めてたのかってぐらい。
トキヤを抱き締めて、締め付けて、舌を絡めて。
「……っあぁっ…ぁっ…や、トキ…ヤぁっ……!」
「っ…久しぶりだから…ですかっ…こんな、締め付けるの…っ…」
「あっ…ち、がっ…っぁっ…」
トキヤのモノがゆっくりと侵入してくる。
でも、それが妙に焦れったく感じて、俺は自ら思いきり腰を落とした。
「っあぁっ…!!」
「ばっ…しょ、ぅっ……!」
下から脳天まで突き抜かれるような感覚に俺の身体は反り返った。
背中や首が痛いくらいに力が入り、筋肉が痙攣し始めた。
そんな俺を抱き締めては唇を重ねるトキヤ。
優しいなんて似合わない、押し付けては貪欲に求める唇に、トキヤの荒々しさが垣間見えた。
「ん、ぅ…はぁ、んっ……ぁっ…ト…キヤぁっ…」
「…翔っ…っ…寂しかったのは…貴方だけじゃ、ないです…よっ……」
「…えっ……っあぁっ…!!」
吐息混じりに囁かれて、もう一度問い直したかったけれど。
動かされた腰のせいで矯声をあげはじめた俺は、ついにその言葉を問いただすことは出来なかった。