短編裏BL

□甘い夜
2ページ/3ページ





「っんぅ…は、ぁんっ…」



レコーディングルームでキスされた時とは大違いで。


触れられた所から熱くなって、舌が唇に触れると身体がピクンッと反応し。

求められていると解ってしまうとどうしてもそれに応えたくなる。



「…どう…黙ってくれる気になった?」




唇を離し、勝ち誇ったような表情でそう問いてくる。


俺の答えなんてどうせこいつはわかってる。


その表情が全てを物語っている。




「わかりきってること…聞くなよっ…」


「へぇ…ショウにしちゃ、珍しい返答だね。」



藍は俺のシャツのボタンを上から順に外しながら、首筋に舌を這わせる。



「っ…うっせ…」


「まだそんな口きくの?全く…素直じゃないよねほんと。」



素直じゃない、んじゃない。



ただ虚勢を張っていなきゃ藍の言葉に、指に、唇に、溺れてしまいそうな自分がいるからであって。


首筋から鎖骨へと甘噛みを繰り返すその行動に嫌でも反応する身体を抑えるには。


口から虚言を並べなきゃ、きっと壊れてしまうから。






「やっ…藍っ…!」

露呈された上半身に立ち並ぶ二つの赤い突起に藍は舌を這わしコロコロと舌で転がすように弄ぶ。


「あっ…やっ、あ…」

舌のざらついた感触が気持ち悪く、ぞくぞくするような感覚が背骨を伝い下半身が熱くなる。


「…ショウ…ここ、弱いよね。」


「ばっ…ちげぇっ…っあっ!」


指先で擦られ、恥ずかしげもなく主張するように立ち上がる二つの突起は藍にいつまでも弄ばれる。



「…ショウ、こっちもすごいよ」


左手は赤い突起を摘まみ上げながらも、右手の指先は俺の筋肉の筋を辿り下へ下へと移動する。



「っ…そっちはっ…」


「…そっちは…何?」


「だめ…だっつのっ…」


上半身を起こし、俺は藍の指を拒もうとする。



「…まだそんなこと言うの?もう良い。そんなこと言えないようにするから。」


「なっ…んぅっ…!?」




左手で肩を押され上半身をベッドに埋もれさせると、瞬時に藍が唇を重ねてくる。


「んっ…う、あ…いっ…っふぅ…ん…」


強引に重ねられた唇は何もかもを強引に抉じ開けてくる。

侵入してくる藍の舌は俺の歯茎の裏をなぞり、拒んでいた俺の舌を無理矢理吸い上げる。

はしたなく粘り気のある水音が部屋に響き渡る。


「んぅっ…はっ…あ…あいっ…っぅ…」


何もかもが強引で。

だからキスに気を取られていた俺は、藍が右手だけで器用にベルトを外し、衣服類を全て取ったのも止められなかった。



「っ…や…めっ…あいっ…」

そんな俺の言葉も聞かず、藍は俺の屹立したモノにそっと触れた。



「っ…!!」

「…いい加減…黙ってくれる気になった?」



触れた指は優しく先端を撫でてくる。



藍の言葉も聞こえないほど、本心は藍の指を求めていて、

でもそんな自分が恥ずかしくて、



「っあ…やっ…やだっ…」


シーツを掴み、身体を動かして逃げようとするも、藍は足を掴み逃がせてはくれない。


「全く…強情だよね。そういうとこ。」

「う…うっせ…っあっ…!?」

「もう逃がす気ないから。」

「何…言っ…て…んぁあっ…やあっ…!」


俺のモノを掴み、上下に擦りながらも、藍は先端から溢れる透明な汁を舌で受け止め始める。




「やぁっ…藍ぃっ…はぁっ、んっ…!」


「…もっと…喘ぎなよ…声…聞かせて…」



低く囁く藍の声に触発されたようにビクンッと身体が跳ね上がる。


そこからはもう、身体が欲している熱に抗うことも出来なかった。




「っ…ぅ…は、あっ…はぁっ…んあっ…藍っ…藍っ…やっ、あぁっ…!」



藍の手と舌によって爪先から駆け上がってくる電流のような痺れが身体を突き抜ける。



白濁した粘り気のある液体を放出させられた後も、俺の身体から熱が消えることはなくて。




「…どう?まだ何か言う気ある?」


そんな藍の問いに首を横に振ることさえもできなくて。




「…藍…藍が…ほし、い…」



ただそんな一つの願望が


なんの躊躇いもなく口をついた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ