短編BL

□ずれた君に真っ正面から
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「アイアイ、どうしたの。」

「別に特にはないけど。何か困る?」

「いや…困るも何も…寧ろ嬉しいけど…」

「じゃあ問題ないよね。」




いやいや問題大有りなんですけれど。


おにーさんが口開けて驚くなんて珍しいんだよ、アイアイ。



そう言いたかったけれど、正直、家にアイアイがいるなんてこんなに嬉しいことはない。


普段はぼくがアイアイの家に行くとかそんなのばかりだった。
なのに今日はアイアイが急にぼくの家に押し掛けて、ご飯を作ったり掃除をしてくれたりする。
テンションや話し方はまるで変わらないけれど、普段のアイアイとは全くの別人のようだ。



「…何そんな物珍しそうな顔で見るの。ボクは見せ物じゃないんだけど。」

「そう?ぼくからしたらアイアイはずっと見ていたいけど。」

「…恥ずかしいからそう言うこと言うの止めて。」

「そういうところがまた可愛い。」

「…ちょっと一回殴って良い?」

「それは痛いから遠慮しとく。」


少し引き気味に言うと、アイアイはまた掃除を始める。
何の思い付きなのか全くわからないし何か裏があるのかとも思ったけれど、そんな風にも見えなかったからとりあえずぼくはアイアイの気の済むまでやらせてあげた。
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