短編BL

□ただのイチャイチャ(処女作)
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「音也ー。ちょっとここ聞きたいんだけどさー。」

夜、俺は明日のSクラスとAクラスの合同授業について那月ともめ、音也に聞きに音也とトキヤの部屋に訪れた。


「あ…翔。」

ヘッドホンをして何か音楽を聴いていた音也は部屋に入ってきた俺の存在に気付き、ヘッドホンを外した。


「…あれ、トキヤはいないのか?」

「うん、今ちょっと外出てるみたい。で、どうしたの?」


音也は少し複雑そうな顔をしながらそう問いてきた。


「あ、そうそう。明日の合同練習のことなんだけど。」

俺は日向先生にもらった明日の予定が書いてあるプリントを見せた。


「こう書いてあるんだけど、那月がここは訂正されたって言うんだけど…」

「うん、そこは訂正されたよ。」

さらっと流した音也の言葉に俺は肩を落とした。


「…なんだよ…俺が聞いてなかっただけか…ありがとな音也…っ…!?」


そう言って立ち上がった俺の手首を、音也が軽く掴んだ。



「…音也…どうした…」

「翔…もしかして、風呂あがり…?」


まだ少し濡れている髪で気付いたのだろうか。

音也は下から見上げながら尋ねてくる。


「…そ、うだけ…ど…うわっ…!」

いきなり、掴まれていた手首を引っ張られ、そのまま床に倒された。



「…そういう格好で部屋に来るなんてさ…ずるいよ、翔…」



覆い被さってくる音也の瞳は戸惑いと躊躇いが見えた。


「ちょっ…音也っ…」

急に恥ずかしくなって、俺は右手で顔を隠そうとする。



「…隠さないで…翔…」

「っ…ばっ…かっ…音也っ…!」


そんな俺の言葉に口角を上げ、音也は顔を近付けてくる。



「…翔…可愛い…」


優しく唇の上で囁かれ、俺はその吐息の熱さに酔い、ゆっくりと瞼を閉じた…。




─END─

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