短編BL

□ぶり返す熱
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…やらかした。


何をやらかしたか。



アイドルとしてあるまじきことをやらかしてしまった。







『…聖川さん…風邪…ですか』


「…くっ…すまない…今日はST☆RISHで練習だったのに…げほっ…げほっ!」


『聖川さん!無理して喋らないでください!喉を余計痛めます!』





一ノ瀬に電話をかけ、今の状態を伝える。

昨日の夜から熱が上がり、なんとか熱は薬で下げたものの咳や喉の痛みは治まらない。


歌えなくとも、練習を見るだけでもしたかったが……




「……すまん…皆に移してもいかんし…」

『いえ、こちらは大丈夫です。それより、今はなるたけ安静にしてください。後で今日の練習内容をメールで送りますので具合が良くなったら見てください。』

「…うむ…すまん…感謝する……」

『いえ。ではお大事に。』


『マサー!大丈夫ー!?』

『おい聖川ー!早くよくなれよー!』





一ノ瀬の声の後ろで、一十木や来栖が俺の様子を伺って騒いでいるのが聞こえた。



そして、通話が切れた。





あぁ…なんという不甲斐なさ…

早く復帰しなければな…




「……そのためにも…今は寝よう……」



まだ昼間だったが、身体を休める以外にどうしようもない。


俺はベッドの傍に置いていた水を飲み、布団の中へと入った。

そして、薬のせいか、徐々に視界が暗くなり、俺は落ちるように眠った。
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